しぞーかの家 case009 その11

作業台

少しずつですが窓枠などの枠廻り工事が始まりました。かんなをかける作業台が現場に設置されています。大工さんが現場で刻みや加工をする現場は段々減ってきています。

旧イタリア大使館別荘

栃木の旅07 旧イタリア大使館別荘(レーモンド設計)

西日が入る夕刻。偶然でしたが、いい時間に訪れた気がします。湖に反射した太陽光がとてもきれいに室内に射し込み、どこを切り取っても絵になる空間が広がっていました。特長である壁の市松調模様色は経年変化で色が褪せ、いい感じに自然と同化しています。

新築当時は色や素材感、そして模様のコントラストがもっとはっきりしていたはずですが、それがどのように自然の中に溶け込んでいたのか? 頭の中でイメージを膨らませています。

 

日光東照宮

栃木の旅06 日光東照宮

雑誌やパンフレット、映像などで見る、派手派手しく、軽い印象なのとは異なり(個人的な印象)、実際にその場に身を置くと、繊細で住宅と言うか生活に近いスケール感。久能山東照宮でも同じように感じたことを思い出しました(写真だと伝わらないかな?)。ちなみに白い部分は漆喰ではなく、胡粉(ごふん:貝の粉)をにかわで溶いたものということです。

日光山輪王寺

栃木の旅05 日光山輪王寺

現在、本堂の平成大修理が行われています。足場囲いの建物は工場のような大きな建築で、最上階の回廊からは修理現場を見ることができます。社寺建築や職人、ものづくりに興味がある人にはお勧めです。

祈祷料2000円で本堂銅版(平瓦)の奉納をしました。欲張って願い事をたくさん書いてしまいましたが・・・。本堂(三仏堂)の修理部材として使用されるようです。

栃木の宿

栃木の旅04 宿

「ゲストハウス蔵の街」(栃木市):まだ新しいゲストハウスで巴波川沿いで立地は最高です。近々カフェも併設オープンするそうです。1人3980円で朝食付き、部屋もきれいで、また是非泊まりたいと思える宿でした。

「タートル・イン・日光」(日光市):貸切温泉のある宿です。そして安いです。部屋もきれいだし、ここもまた是非泊まりたいと思える宿でした。(外国の宿泊客が多いです)

大谷寺

栃木の旅03 大谷寺

岩山を背景にしている門前からの佇まいには、生活感からは程遠い、非日常的な独特の雰囲気があります。期待感がふくらみましたが、残念ながら17時を過ぎていたため本尊までは入れませんでした。残念!

大谷資料館

栃木の旅02 大谷資料館

一度行ってみたかった場所のひとつ、大谷石の採石場。3連休の中日のため人で大変混雑していましたが、人の流れがアリの大群のようにも見え、逆に空間の大きさを感じられたようにも思います。これが岩を削りだしているだけの空間なのだからすごい!

栃木・蔵の街

栃木の旅01 7月の3連休は栃木へ行きました。まずは蔵の街・栃木市から。

江戸時代の原型をほぼ残しているといわれる巴波川(うずまがわ)。川の両岸には舟の曳道として網手道という細い道があります。その道は丸太の杭で土留めされていて、それを押えている少し斜めの横材の連続が、とてもよいアクセントになっていて印象に残りました。川の流れによる水圧が土留めに掛かるのを逃がすためなのかな? 舟を曳き上げるためなのかな? 曳く違いでそんなことはないか??・・・

いろいろと考えをめぐらせることは楽しい!

02.小さいけれど大きな役目

02.木枠の水切り鋼板巻き

木枠には水切りとして鋼板を巻くのですが、写真のように端部には少し立ち上がりを設けています。近くで見ると小さな角が生えてるように見えます。これがあると雨水が横脇に流れないので水切れがよくなるとともに、壁面に雨だれの汚れがつきにくくなります。小さいけれど大きな役目をはたしています。

写真は「静岡の家 case002」の窓

07.安心感を背景にしていること

100701ジャイアンツコーズウェイ

1枚目の写真は北アイルランドの北海岸のジャイアンツ・コーズウェーの写真です。6角形の岩の柱群、そしてそのスケール。とてもとても自然にできたものとは思えないその景色は衝撃的でした。

この6角形の岩の柱群は過去の火山活動の跡で、マグマが冷えて固まってできたものなのだそうです。長い年月の間、波に削られ、風に削られ、人に踏まれながら今の形状になっていったのだと思います。そしてそこに身を置いた時、そこに集まっている人とその景色との組み合わせに、妙に心地よさを感じたのを覚えています。

 

100702ハロン湾

2枚目の写真はベトナムのハロン湾の夕景写真です。夕日によるその美しいシルエットが形の強さや形の大切さを強く感じさせてくれるものでした。そしてそれと同時に、山頂に浮かび上がった建物のシルエットに「ここは人の領域である」という安心感を感じ、移りゆく闇夜への恐怖感から開放されていくようにも感じました。

私たちが自然に対して感じている美しさや心地よさは、人が入り、人が関わり、人が手を加えている、何らかの形で「人が関わっている自然」に対して覚えているのだと思います。それは本当の手付かずの自然に対してだと恐怖心を感じてしまい、安心してその風景を受け入れることができないからではないでしょうか。

無防備になれることやリラックスできること、つまりは「安心感を背景にしていること」がベースにあって、人は美しさや心地よさを感じることができているのだと2枚の写真は気づかせてくれています。