家づくりで岩川アトリエの恒例となりつつある鍛造のワークショップを、坂戸市のアトリエ空さんで行ないました。
まずはSカン造りで練習し、その後、実際に階段の手摺りを手伝ってもらいました。ご夫婦とも初体験とは思えないほどの感の良さとチームワークで、手摺りの始まりの部分30cmほどを完成させました。
1日がかりのイベントになりましたが、ものづくりの楽しさ、大変さ、手づくりの良さ、伝わったのではないかと思います。
岩川アトリエ一級建築士事務所が運営しているブログです。
家づくりで岩川アトリエの恒例となりつつある鍛造のワークショップを、坂戸市のアトリエ空さんで行ないました。
まずはSカン造りで練習し、その後、実際に階段の手摺りを手伝ってもらいました。ご夫婦とも初体験とは思えないほどの感の良さとチームワークで、手摺りの始まりの部分30cmほどを完成させました。
1日がかりのイベントになりましたが、ものづくりの楽しさ、大変さ、手づくりの良さ、伝わったのではないかと思います。
「南荻窪の家」の改修工事、コロナ禍でなかなか思うような日程で進みませんでしたが、無事終了しました。改修の中のひとつ、玄関アプローチ階段部に手摺りを設置。さりげなく、邪魔にならず、握りやすく、安全に。
今日の静岡市は大雨警報が出てどしゃ降りの雨が続いています。自宅の軒先を見ると、樋の裏面(シルバー色の部分)や「鼻隠し」や「破風板」(濃茶色の部分)に水滴がついているのが確認できます。しかし軒天井には水はしみてきていません。
屋根の軒先やけらばの納まりでは「鼻隠し」や「破風板」と軒天井の間に通気口を設け、縁を切るようにしています。こうすることで雨水が天井側にしみ渡らず、軒天井にできやすい水シミを防ぐ効果があるのですが、十分にその効果を発揮していることがわかります。
Bau
お施主さんからいただいたロゴマークをモチーフにデザインした引き手押し手金物です。 スチールプレートを溶断し、鉄の素材感をそのまま残すため、表面を荒らした上で酸化皮膜をつくりその上に蜜蝋を掛ける仕上げとしています。2006年の「下諏訪の家」の理髪店「Bau」で採用しました。
「タイプ04」
アトリエ空の柴崎さんとの打ち合わせの中、溶接を行わず、もう少し鍛鉄らしさを追及したいということで1本のフラットバーから叩いて形成するデザインにしたのがこの「タイプ04」です。握った時の感触、開き戸で使う時の使用感、そして引き戸で使う時の使用感を兼ね備えたデザインとなっています。2014年の「上用賀の家」で初めて採用しました。
「それいゆ」タイプ03
タイプ02の握ったときの感触をもう少しやわらかくし、鉄の重厚感(素材感)ももう少し出したかったので、中央の握る部分を少しふくらませるデザインとしています。角棒を一筆書きでデザインした金物「それいゆ」は、形も機能性もこのタイプ03で完成されたものとなりました。2011年の「池袋本町の家」で初めて採用しました。
仕上げは、その用途により、漆の焼付け(室内のみ)、エナメル塗装、酸化皮膜+蜜蝋などを使い分けて使用しています。
「それいゆ」タイプ02
タイプ01では斜めに振ったデザインとしたため軸にズレが生まれました。そのため開き戸や引き戸の用途にも気にせずに使用できるよう汎用性を持たせるために、軸を揃えシンプルな垂直平行なデザインにしたのがタイプ02です。2007年の「南荻窪の家」で初めて採用しました。
握った感触が少し細くなったことで逆にゴツゴツ感を感じるようになったこと、直線的になったことで鉄の重厚さが少し弱い印象になったことが、次への課題として残りました。
「それいゆ」タイプ01
岩川アトリエでは事務所開設以来、鍛鉄作家・アトリエ空の柴崎さんと協働でスチールワークをしています。その中のひとつにドアの引き手金物があります。第一号は「珈琲屋それいゆ」の金物です。お店の看板である水出しコーヒーの器具をイメージし、スチール角棒の一筆書きとしています。ビス留めを表には見せないが取り付けやすいように配慮すること、そしてこのお店だけに特化せず、一般の住宅にも汎用できることもデザインコンセプトとしています。
「しぞーかの家case008」の階段
リビングの吹抜け部に設けた見せる階段です。テーマは、空間の邪魔はしないが階段としての存在感はある、シンプルなラインで、しかし揺れない安定感。これが意外と難しい。一段目を床から浮かし点で支え、手摺りは細いけど揺れない工夫を施した、さりげないデザインに徹した階段です。
「上用賀の家」の階段
玄関からダイレクトな直線階段。リビングを2階に配置する場合、玄関-階段-リビングのつながりを意識するようにデザインしています。玄関と階段は1段目が靴を履くためのベンチと繋がっていることでやわらかくつながり、階段の手摺りが2階の家具と絡み合うことで、玄関-階段-リビングと連動したデザインとなっています。また、今回のように木を多用する場合、何かうるさく重たい空間になりがちなのですが、手摺りに異素材の黒鉄を用いることでバランスがとれ、それぞれの素材が心地よく感じられる空間となっています。 (写真 : 畑亮)