ディテール「階段08」

「池袋本町の家」の階段

土間玄関から2階の内玄関につながる階段。4方を白しっくいで囲まれた階段室に木の螺旋階段、その壁面に一筆書きでぐるりとまわした黒い鉄の手すり、白しっくいと木と鉄のシンプルな組み合わせによる美しい階段です。段板は土足でも素足でも使えるように堅木を使っています。階段下の2つの箱は1階用2階用の郵便受けです。  (2枚目の写真 : 畑亮)

 

ディテール「階段07」

「静岡の家case004」の階段

リビングダイニングを2階に配置し玄関の正面に階段室を配した事例。下6段をひな壇とし、下2段を玄関側にはみ出させることで空間の広がりと上階への導きを演出しています。踊り場の正面壁面には横から光を取り入れ、壁面を照らすことで奥行きが生まれ、コテむら仕上げとしたその壁面にできる陰影が、その先(2階)への期待感を玄関に持たせています。  (1枚目の写真 : 畑亮)

ディテール「階段06」

「南荻窪の家」の階段

この家も小住宅ですが、天井高のほしい日本画家のアトリエを2階に設けているため、アトリエ‐外部間のキャンパスの搬入搬出がテーマとなった階段です。使用するキャンバスは最大で2.4mの幅が必要であったため、階段手前の天井と2階アトリエの床が2.55mの幅で開放できるように計画しています。下2段はキャンバス搬出入時の足場となるように幅広のひな壇としています。階段室はハイサイドからの光がしっくい壁に反射して、やわらかい光に包まれています。  (2枚目の写真 : 畑亮)

ディテール「階段05」

「下諏訪の家」の階段

2世帯住宅の階段。玄関からダイレクトな階段は、1階の祖父の住居と2階の夫婦家族の住居を縦格子の手摺り壁でやさしく視界を区切り、そして繋いでいます。玄関を出入りする際に気を使わなくてすむように、顔は合わせず、しかし気配はわかるような、そんなつながりを形にした階段です。

直線階段の場合、いきなり階段が始まるのではなく、床と階段をつなぐ基壇のようなものを設け、気持ちの切り替えができるようなデザインを心がけています(始まりと終わりがはっきり分かることはつまづきの防止にもつながります)。階段に限らず「もの」と「もの」の節点のデザインを大切にしています。  (写真 : 畑亮)

ディテール「階段04」

「静岡の家case003」の階段

リビングの真ん中に配置した多目的な階段。下の4段はリビングと一体化するようにベンチとして座れるひな壇とし、その上を木の半螺旋階段としています。腰掛けて会話をする場所であったり、子供たちのジャングルジムとなったり、その様子は対峙しているキッチンから会話をしながら見守ることができます。ひな壇の高さは、見守る親の目線が子供の目線より下にならない高さに設定しています。  (1枚目の写真 : 畑亮)

ディテール「階段03」

「静岡の家case002」の階段

高齢者住宅の階段。小住宅のためコンパクトな半螺旋階段を採用していますが、勾配を少し緩くすることで高齢者に配慮しています。高齢者に螺旋階段という試みは初めてのことであったため少し心配はありましたが、実際は問題ないようで、日常生活での階段の上り下りは健康のために役立っているようです。   (写真:畑 亮)

ディテール「階段02」

「静岡の家case001」の階段

コンパクトな半螺旋階段を、直線部分を細い丸鋼と薄い鉄板による立体トラスとし、トラスの下端を螺旋部の支柱に空中で受け浮かせることで、「向ヶ丘の家」の階段からさらにスリム化を図っています。このスリム化した半螺旋階段と手洗いカウンターの一体化した姿が、ガラスブロックの壁を背景として、美しいシルエットとして浮かび上がるようにデザインしています。

ディテール「階段01」

「向ヶ丘の家」の階段

小さな住宅のためのコンパクトな半螺旋階段。通常階段には1,2階ともに1坪の床面積が必要なのですが、この階段は下半分の螺旋階段(スチール)と上半分の直線階段(木造)を組み合わせることで、1,2階とも3/4坪のスペースで階段が成立しています。1,2階合わせると0.5坪ですが、この0.5坪が狭小住宅には大きいのです。ちなみにこれは畳で1畳、トイレのスペースが確保できる広さです。

小住宅では階段をどう配置し、どうつくるかということが、空間成立のカギとなります。

デザイン

これから不定期ですが、岩川アトリエでデザインしたものを簡単な解説付きでアップしていきたいと考えています。HPだと腰が重くなるところですが、ブログだと気軽な感じで少しずつできそうな気がします。まずは「住宅の階段」から始めてみようかと思っています。