おれっちあたしっち その1

自邸

しぞーかの自邸がいよいよ始まります。50を過ぎての住宅ローンには不安がないとは言えませんが、楽しみな1年になりそうです。
見積もりも出揃いましたので、見積もり調整とこれからの挨拶も兼ねて、下請け業者さんの事務所めぐりをしています。今までは現場での打ち合わせがほとんどだった方もいるのでお互いの人となりも知れるよい機会になっています。予定金額までの調整はもう少し続きそうです。がんばるぞ!

スタッフブログ 始めます

初めまして、岩川アトリエのスタッフAです。

これからブログにも登場させていただく事になりました。記事の内容は基本的に何でもOK・・・ということで仕事の内容に拘らず、スタッフAからの視点であれやこれやと綴っていきたいと思います。

すっかり暖かくなってきましたね。春が来たなぁと感じる瞬間は人それぞれですが、私の場合はベランダに猫の出現頻度が増えた時です。2階にある自分の部屋から、ベランダや下屋に遊びに来る猫の姿がよく見えます。冬は日の出が遅いので朝の時間帯に来ることは稀だったのですが、春になると朝から日差しが届いて床が暖まるからか、よくトタン屋根の上にどっしりと座っているのを見かけます。

出現率No.1のトラ猫です。貫禄のある後姿で朝からいい場所を陣取って昼寝(朝寝?)しています。野良猫とは思えないほど毛並みがよくフサフサです。他に2匹よく遊びに来る猫がいて、多いときには同時に3匹がベランダに座っていたりします。ちなみに夏が来る頃にはまた見かけなくなるので、いい避暑地が近くにあるんでしょうね。

人間ももっと気軽に居場所を転々としながら生活できればいいのになと思います。

スタッフA

13.自然と人との関わり

1枚目の写真はイタリア・アンコナの写真です。アンコナはマルケ州アンコナ県の県都で、アドリア海に面した港町です。港からは対岸のクロアチアやギリシャへの客船も出航しています。アンコナ港から丘を上り中心街の大通りを南東に抜けるとそこは丘の終点で断崖になっていて、前面には広大なアドリア海が広がっていました。
崖を降りてみると、色とりどりの木製の観音扉が海岸線に沿って数え切れないくらい並んでいました。その扉の中はそのひとつひとつがトンネル状の穴になっていて、舟が納まり、扉を開きそのまま前進すると入水できるような、非常にシンプルでダイレクトな構造になっていました。

2枚目はブータン・パロのタクツァン僧院の写真です。そこはチベット密教最大の聖地といわれ、断崖絶壁のすごい場所(標高3100m)にありました。遠くから眺めていた時もすごい場所だなあと思っていましたが、近くで見たときの方がそのリアルな地形を目の当たりにし、より、そう実感したのを覚えています。

アンコナで観音扉の列を見たときは「何だ?何だ?」という感じで、街を散歩しているときに新しいものを発見した時のような身近な感覚でしたが、タクツァン僧院では(チベット密教のことを少し頭から外せば)、「えーっ!おーっ!何でここに!」という感じで圧倒され、その印象は全く違ったものでした。

両者に共通している点は自然と人が向き合っていること、そして自然との関わりの上に建築が成り立っているということだと思います。そしてこのことは自然と人との関わりに建築の出発点があることを教えてくれているように感じました。

しずおか木造塾

先週末、2017年度最後のしずおか木造塾。建築家の堀部安嗣さんと東京・田中工務店の田中健司さんの講演。おもしろい話を聞かせていただき、充実した週末となりました。

標識に自生

誰かが挿したのかと思ったけど、自生しているみたいです。引っ張ってみたけどびくともしません。根は支柱の中で地面まで伸びているのだろうか?
ほったらかしにしている雨どいでもときどき見られる光景だけど、こんなにしっかり茂っているのはなかなかお目にかかれない。

寄り添う

寄り添って暖をとる。戸建てより集合住宅が暖かいのと同じ原理。
ちなみに一番中心にいるのは誰なんだろう?決まっているのかなあ?子どもかなあ?ローテーションはするのかなあ?

12.海辺に見た平和的風景

ノルウェーミラー

1枚目はノルウェー・ヴォス近郊のフィヨルドの写真です。フィヨルドは海なので川のような流れはありませんが、この日は風もない穏やかな天気だったため、波もない静かな水面には、背景の山並みがきれいに映し出されとても幻想的な風景でした。
水面が背景の景色に同化することで、陸と海の境界線はぼやけてあいまいになり、まるでひとつのつながった風景のようになっています。ボーッと眺めていると水の存在を忘れて海に足を踏み入れてしまいそうで、その静寂に満ちた風景に非常に平和的な気持ちになりました。

2枚目の写真はポルトガルのポルトから北へ約50kmほど行った海岸です。白い波しぶきを上げて打ち寄せる波のラインの美しさ、引いていく波の動き、波の音、風の音、人々の声、そして浜辺でビーチサッカーをしている少年たちの姿に心和まされた風景でした。そしてやはりここでも平和的な気持ちになったことを覚えています。

これらは両方とも海の写真なのですが「静」と「動」でまったくその印象は違います。しかしそこから感じた平和的な感情は共通していました。それは水辺との関わりに起因しているのかもしれませんし、陸と海との接点のありように起因しているのかもしれません。

建築の場合、計画の中に水辺を取り入れるケースは多く見られますが、水辺との関わりや水辺との接点のありようを考える上で、これらの事例で感じたことは非常に大切なことなのではないかと思いました。

11.木製の屋根付き橋からの風景

1枚目はイタリアのバッサーノ・デル・グラッパにて橋上から見た風景の写真です。この町はヴェネツィアから北へ約100kmの場所に位置し、町の中心にはブレンタ川が流れているグラッパ山のふもとの小さな美しい町でした。
川にかかる木製の屋根付き橋(アルピーニ橋)は町のシンボルになっていて、その橋から見る風景は山々を背景にした美しい町並みが非常に印象的でした。そしてその日は雪が残る寒い日でしたが、他の場所から見たときに感じた自然の厳しさとは違い、木の橋の上から見たその同じ町並みには何故かあたたかさを感じていました。

2枚目はブータンのプナカゾンを橋上から見た写真です。ゾンとは行政と寺院の機能を備えた城塞のことで、日本でいうと役所や議事堂などにあたる場所なのですが、その全景を見たときは威厳があり、まさに城塞といったイメージ通りの印象でした。
このゾンは紫色の花が美しいジャカランタの並木に囲まれていて、左右に川が流れているため中に入るには木製の屋根付き橋を渡るようになっていました。しかし屋根がある木造の橋に足を踏み入れた瞬間、今までの遠い存在に見えていたゾンが急に身近な風景として目に映ってきました。そしてその時バッサーノの橋のことを思い出したことをよく覚えています。

これらは、「ものを通して見ること見せること」によって建物や町並みの印象が変わってくることを再認識させられた事例です。そしてこのことは建築を計画する上でのアプローチ部分の大切さを教えてくれているようにも感じられました。

10.屋根の力

1枚目は沖縄の中村家住宅の写真です。18世紀中頃に建てられたというこの住宅が沖縄戦の戦禍をのがれたという事実にまず驚き、そして敷地内に入るとその屋根の美しさにひきつけられました。
住宅の周囲は防風林として屋根よりも高い木(フクギ)に囲まれていました。そのため周囲の家々とは縁が切れていたため、漆喰で固められた赤い瓦屋根の存在をより強く感じていたのだと思います。棟の長さが短い寄棟の大きな屋根のデザインは重すぎず軽すぎず、心地よい安心感を与えてくれていました。

2枚目の写真はクロアチアのドブロブニクです。旧市街の周りを取り囲んでいる城壁の上から旧市街を見下ろしています。同色の洋瓦で統一されている屋根が一面に広がり、背景の青いアドリア海とマッチした美しい風景でした。
屋根は機能としては強い日差しや雨風をしのぐという大切な役割を担っていますが、ドブロブニクの一面屋根の風景を眺めていると、家々の屋根が集まることによって街の風景がつくりだされているということを改めて気づかされます。

設計中に屋根のデザインに行き詰ると、道を歩いている時も、電車に乗っているときも、屋根ばかりを目で追ってしまうことがしばしばあります。屋根を中心に建築を見ていると屋根がいかに街並みに影響を与えているのかが見えてきて、建築における屋根の力を再認識させられます。