陶器 加茂道子
会期:2015/10/18~2015/11/28 終了しました
詳細:それいゆギャラリー
岩川アトリエ一級建築士事務所が運営しているブログです。
昨年まで神楽坂で開催していた「静岡の建築仲間がつくる家づくり展」。来年から11年目に入りますが、新規一転、場所を谷中に移して開催していこうということに。
そこで先週静岡の建築仲間と谷中散策。事前に調べたギャラリーや街で偶然見つけたギャラリーを見て回りました。どこで開催することになるかは乞うご期待!
午後4時、最後に見せていただいたギャラリーで教えていただいた「上野桜木あたり」で谷中ビールで打ち上げ。人々の生活の中で飲んでる感がたまりません。
しめは80代のご夫婦が35年前から営まれている「みぢゃげど」というお店で、津軽そばを。散策中に気になっていたお店です。ご夫婦の故郷、弘前のお話が楽しく、付け合わせのニシンが美味!
1枚目の写真はフィンランドのヴァンターにある教会の縦長のスリット窓です。目の前にその教会が現れたときにはなぜ縦長のスリット窓なのだろうと思いながら見ていました。
教会の中に入ってみるとその縦長のスリット窓によって白樺の幹一本一本が強調されているように見えました。そして不思議にも森の中を歩いているかのような気持ちになったのでした。
フィンランドの街並みは広大な緑の森を背景にしているため白樺の真直ぐに伸びた樹幹の白さが強調されて見えるのです。室内側から見たスリットと外の景色はそのことをより連想させるものだったのかもしれません。
2枚目の写真もフィンランドです。ポルヴォーという町にある教会のステンドグラス。教会のステンドグラスというと濃い色で絵画のようなものをイメージしてしまいます。ですが、この教会のものは無色と淡く明るいブルーとグリーンのステンドグラスをグリット状に組み立てたあっさりしたものでした。
そこには建物裏側の木々の葉が風にそよぎサラサラと動き、チカチカと光を反射する様子が映し出されていました。何とも言えない心休まる場がそこにはありました。
窓は外の景色や光、風を取り入れることはもちろんですが、「窓は内と外とをつなぐもの」として大切な役割があることを気づかせてくれています。そして、この窓を見ていると日本人と同じようにフィンランドの人々が自然を崇拝し、自然と共に生きていることも感じられました。
祖師ヶ谷大蔵駅前にある喫茶店「珈琲屋それいゆ」。その中にある小さなギャラリーが「それいゆギャラリー」です。クリエイターの情報発信の場として喫茶店の一部を展示空間として無料にて提供しています。(since 2004) 岩川アトリエではギャラリーの企画・運営・監修を行っています。
「珈琲屋それいゆ」は祖師ヶ谷大蔵駅前に1976年に創業した駅前商店街のなかでは歴史の古い喫茶店です。2004年に駅前再開発事業に伴い、斜め向かいのビルにお店を移転をしましたが、学生の頃(二十歳)から常連として通っていた縁で店舗設計をさせていただきました。その際にこちらからの提案でこの小さなギャラリーは誕生しました。
各駅停車駅前の小さなギャラリーですが、展示をしたい方、展示に興味のある方は:それいゆギャラリー より詳細のご確認・お問い合わせください。
いろいろなところで『心地いい』といった表現を目にしますが、『心地のよさ』って何だと思いますか? 非常に感覚的なことなので「どんな?」と言われると「さて?」と考えてしまう方が多いと思います。それは建築家にとっても同じことです。
では建築家はどうやって『心地よさを確かにするもの』を蓄積しているのでしょうか。私の場合はまず旅先や日常の生活の中で自分がいいなと思ったもの、気になったものを、難しく考えず自分の気持ちに素直に写真などに収める様にしています。
そしてそれらのものを後から振り返ってみると、どこかに共通点が見えてきて自分がどういうことに興味を持っているのかが見えてきたりします。このような蓄積が心地よい場をつくり出す源になっているのだと思います。
建築家として「日頃どんなものを見、どんなことを感じているのか」国内外の事例をもとに紹介していきたいと思います。