軒先の納まり

今日の静岡市は大雨警報が出てどしゃ降りの雨が続いています。自宅の軒先を見ると、樋の裏面(シルバー色の部分)や「鼻隠し」や「破風板」(濃茶色の部分)に水滴がついているのが確認できます。しかし軒天井には水はしみてきていません。

屋根の軒先やけらばの納まりでは「鼻隠し」や「破風板」と軒天井の間に通気口を設け、縁を切るようにしています。こうすることで雨水が天井側にしみ渡らず、天井にできやすい水シミを防ぐ効果があるのですが、十分にその効果を発揮していることがわかります。

ディテール「引き押し手金物05」

Bau

お施主さんからいただいたロゴマークをモチーフにデザインした引き手押し手金物です。 スチールプレートを溶断し、鉄の素材感をそのまま残すため、表面を荒らした上で酸化皮膜をつくりその上に蜜蝋を掛ける仕上げとしています。2006年の「下諏訪の家」の理髪店「Bau」で採用しました。

ディテール「引き押し手金物04」

「タイプ04」

アトリエ空の柴崎さんとの打ち合わせの中、溶接を行わず、もう少し鍛鉄らしさを追及したいということで1本のフラットバーから叩いて形成するデザインにしたのがこの「タイプ04」です。握った時の感触、開き戸で使う時の使用感、そして引き戸で使う時の使用感を兼ね備えたデザインとなっています。2014年の「上用賀の家」で初めて採用しました。

ディテール「引き押し手金物03」

「それいゆ」タイプ03

タイプ02の握ったときの感触をもう少しやわらかくし、鉄の重厚感(素材感)ももう少し出したかったので、中央の握る部分を少しふくらませるデザインとしています。角棒を一筆書きでデザインした金物「それいゆ」は、形も機能性もこのタイプ03で完成されたものとなりました。2011年の「池袋本町の家」で初めて採用しました。

仕上げは、その用途により、漆の焼付け(室内のみ)、エナメル塗装、酸化皮膜+蜜蝋などを使い分けて使用しています。

ディテール「引き押し手金物02」

「それいゆ」タイプ02

タイプ01では斜めに振ったデザインとしたため軸にズレが生まれました。そのため開き戸や引き戸の用途にも気にせずに使用できるよう汎用性を持たせるために、軸を揃えシンプルな垂直平行なデザインにしたのがタイプ02です。2007年の「南荻窪の家」で初めて採用しました。

握った感触が少し細くなったことで逆にゴツゴツ感を感じるようになったこと、直線的になったことで鉄の重厚さが少し弱い印象になったことが、次への課題として残りました。

ディテール「引き押し手金物01」

「それいゆ」タイプ01

岩川アトリエでは事務所開設以来、鍛鉄作家・アトリエ空の柴崎さんと協働でスチールワークをしています。その中のひとつにドアの引き手金物があります。第一号は「珈琲屋それいゆ」の金物です。お店の看板である水出しコーヒーの器具をイメージし、スチール角棒の一筆書きとしています。ビス留めを表には見せないが取り付けやすいように配慮すること、そしてこのお店だけに特化せず、一般の住宅にも汎用できることもデザインコンセプトとしています。

アトリエ空

 

ディテール「階段10」

「しぞーかの家case008」の階段

リビングの吹抜け部に設けた見せる階段です。テーマは、空間の邪魔はしないが階段としての存在感はある、シンプルなラインで、しかし揺れない安定感。これが意外と難しい。一段目を床から浮かし点で支え、手摺りは細いけど揺れない工夫を施した、さりげないデザインに徹した階段です。

ディテール「階段09」

「上用賀の家」の階段

玄関からダイレクトな直線階段。リビングを2階に配置する場合、玄関-階段-リビングのつながりを意識するようにデザインしています。玄関と階段は1段目が靴を履くためのベンチと繋がっていることでやわらかくつながり、階段の手摺りが2階の家具と絡み合うことで、玄関-階段-リビングと連動したデザインとなっています。また、今回のように木を多用する場合、何かうるさく重たい空間になりがちなのですが、手摺りに異素材の黒鉄を用いることでバランスがとれ、それぞれの素材が心地よく感じられる空間となっています。  (写真 : 畑亮)

ディテール「階段08」

「池袋本町の家」の階段

土間玄関から2階の内玄関につながる階段。4方を白しっくいで囲まれた階段室に木の螺旋階段、その壁面に一筆書きでぐるりとまわした黒い鉄の手すり、白しっくいと木と鉄のシンプルな組み合わせによる美しい階段です。段板は土足でも素足でも使えるように堅木を使っています。階段下の2つの箱は1階用2階用の郵便受けです。  (2枚目の写真 : 畑亮)

 

ディテール「階段07」

「静岡の家case004」の階段

リビングダイニングを2階に配置し玄関の正面に階段室を配した事例。下6段をひな壇とし、下2段を玄関側にはみ出させることで空間の広がりと上階への導きを演出しています。踊り場の正面壁面には横から光を取り入れ、壁面を照らすことで奥行きが生まれ、コテむら仕上げとしたその壁面にできる陰影が、その先(2階)への期待感を玄関に持たせています。  (1枚目の写真 : 畑亮)