07.安心感を背景にしていること

100701ジャイアンツコーズウェイ

1枚目の写真は北アイルランドの北海岸のジャイアンツ・コーズウェーの写真です。6角形の岩の柱群、そしてそのスケール。とてもとても自然にできたものとは思えないその景色は衝撃的でした。

この6角形の岩の柱群は過去の火山活動の跡で、マグマが冷えて固まってできたものなのだそうです。長い年月の間、波に削られ、風に削られ、人に踏まれながら今の形状になっていったのだと思います。そしてそこに身を置いた時、そこに集まっている人とその景色との組み合わせに、妙に心地よさを感じたのを覚えています。

 

100702ハロン湾

2枚目の写真はベトナムのハロン湾の夕景写真です。夕日によるその美しいシルエットが形の強さや形の大切さを強く感じさせてくれるものでした。そしてそれと同時に、山頂に浮かび上がった建物のシルエットに「ここは人の領域である」という安心感を感じ、移りゆく闇夜への恐怖感から開放されていくようにも感じました。

私たちが自然に対して感じている美しさや心地よさは、人が入り、人が関わり、人が手を加えている、何らかの形で「人が関わっている自然」に対して覚えているのだと思います。それは本当の手付かずの自然に対してだと恐怖心を感じてしまい、安心してその風景を受け入れることができないからではないでしょうか。

無防備になれることやリラックスできること、つまりは「安心感を背景にしていること」がベースにあって、人は美しさや心地よさを感じることができているのだと2枚の写真は気づかせてくれています。

01.小さいけれど大きな役目

01.屋根材:無塗装ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板(アルミニウムと亜鉛の合金めっき鋼板のこと)は一般的には塗装されたものがよく使われていますが、事務所では無塗装板を標準で採用しています。

無塗装板は塗装板と違い、熱を蓄熱しにくいという特性を持っているからです。

屋根の断熱では、屋根面の温度上昇を抑えることは断熱性能を上げるうえで大変重要なことです。

屋根面の温度が上がるということは、断熱材に熱々の鉄板をずっと載せていることと同じですから、断熱材はつらいです。必要以上に頑張らなければいけなくなってしまいます。

屋根面の温度の上昇を抑えられれば、それはそのまま断熱性能の向上につながり、しいては住宅の質の向上につながります。

7/10、午後1時、外気温30度超え、屋根は手で触れるくらいまでしか熱くなっていません!

しぞーかの家 case009 その10

天井下地

天井の下地材のことを野縁(のぶち)と言います。住宅では4cm×3cmの角材がよく用いられます。今回の住宅ではこの下地材に青森ひばの縁甲板を張っていく予定です。

しぞーかの家 case009 その9

制震装置

今回の住宅ではGVAという制震装置を取り入れています。地震の揺れを熱エネルギーに変換して、揺れを最大で70%軽減してくれる装置です。予算に余裕があるケースでは、これからも採用していきたいシステムです。(延べ床面積が30数坪~40坪程度の住宅の場合、60万円弱の費用が掛かります)

06.人を感じるしつらえ

100601アンコナベンチ

1枚目の写真はイタリアのアンコナで見かけた窓際のしつらえです。ポルトガルなどの民家でも同じようなものを何度か見かけ、気になっていたしつらえです。壁に2人が向かい合って座れるくらいの穴が空いていて、そこにベンチとコーヒーを置ける程度の小さなカウンターが付いていました。

カウンターに肘を掛け一人で外の景色を眺めたり、陽だまりのなかで昼寝をしたり、親子で向かい合って座り今日一日の出来事を話したり、窓際を舞台にしたさまざまな生活のシーンが目に浮かんできて温かい気持ちになります。

 

100602マーストリヒト階段

2枚目の写真はオランダのマーストリヒトにある公共施設のひな壇状の階段です。その階段は吹き抜けの大きな空間のなかでエントランスホールと2階の展示スペースとを結んでいます。右側半分が上り下りするための階段として、左側半分は段板の上に座れるようになっていました。

段板の上に並べられた赤と紫の丸いソファーのような座布団に導かれ、気付くと吸い込まれるように座っていました。公共施設はどうしても堅苦しく冷たい雰囲気になりがちですが、何か身近で温かいなあと感じていました。

場と場の接点や境界に、人が留まるような場所をしつらえたり、会話の生まれる場所をしつらえたりすることで、そこに人を感じ、それぞれの場が繋がって見えてきます。そしてそのしつらえが温かさを感じる上でも重要な要素なんだと気づかせてくれています。

しぞーかの家 case009 その8

中間検査

申請機関による中間検査に立ち会いました。建物の配置が間違っていないか、間取り等は申請図面通りに施工されているかなどを確認した後、耐力壁の位置、補強金物や垂木の振れ止めなど構造に関わるところ全ての箇所をチェックしていきます。

無事合格。

秋川渓谷

週末に秋川渓谷に行ってきました。川遊びに温泉に、祖師ヶ谷大蔵からは車で1時間ちょっとで行ける穴場です。

川辺にはおたまじゃくしがたくさんたくさんいました。子供の頃は田んぼで捕まえて遊びましたが、記憶をたどると川で見るのは初めてなような気がします。

ピークはもう過ぎているとのことでしたが、夜はホタルが数十匹乱舞していました。蒸し暑く曇っていたこともあり、好条件にも恵まれたようです。

しぞーかの家 case009 その7

屋根の板金工事

今回はガルバリウム鋼板の立ちはぜ葺きです。鋼板と鋼板の接合部は工具を使ってしっかりとかしめていきます。切ったり折り曲げたりしながら納めていく手作業の過程を見ていると、素材は違いますが折り紙に通ずるものを感じてしまいます。