ミズクラゲ。
確かに癒される!
海では遭遇したくないのに…
岩川アトリエ一級建築士事務所が運営しているブログです。
ミズクラゲ。
確かに癒される!
海では遭遇したくないのに…
1枚目はベトナムのハノイにある線路の写真です。線路の脇には街路のように家が建ち並んでいて、砂利敷きの線路脇が家々のメインストリートになっていることに驚きました。寛いでいる人がいれば商売をしている人も、そしてバイクも走っていました。
道を中心に街並みが形成されていくことを考えれば、その昔まだインフラが整備されていなかった頃は、ここでは鉄道が生活に欠かせない最も重要なものであったことをうかがい知ることができます。
2枚目の写真もベトナムです。メコン川の支流沿いの街並み。生活の足であるボートが車のように行き交っていましたが、ボートに乗って移動するとその生活の場面・場面がスライドのように目に映り、その活気さと人々の笑顔が非常に印象的でした。
東南アジアの田舎に行くと昔の日本の風景を見ているかのようで懐かしさを覚えたりしますが、この二つの景観からは少し違った印象を受けていました。懐かしさとは少し違う、何かホッとするような、心和むような感覚になっていました。
プライバシーの強い西欧の家とは違い、家の前にも生活の一部がはみ出した、そんなアジア的な人の顔が見える景観にホッとし、心和んでいたのだと思います。かつては日本にも人の顔が見える景観は当たり前のようにありました。しかし最近はそんな景観も段々と街並みから姿を消していっているのが残念に思えます。
今年の静岡展(東京開催)の場所は上野桜木の有形文化財建造物・市田邸に決まりそうです。
今から7月の展示が楽しみ!
1枚目の写真はポルトガルのエヴォラにある水道橋です。エヴォラはローマ時代の城壁に囲まれた小さな町ですが、ローマ、中世、近世、現代と各時代の様式が混在していて、長い年月の間この小さな町が重要な町として存在していたことがうかがえました。
水道橋は城壁の外から中へとつながって残されているのですが、その水道橋が城壁の内側では住居にうまく利用されていました。水道橋には線路の高架下のような奥行きはありません(写真を見るとアーチの下に家の屋根があるのがわかると思います)。ですからこの事例は日本で見られるような高架下の使われ方とは違います。
水道橋をうまくファサード(正面のデザイン)の壁面として利用していました。橋脚のピッチや高さが住居に利用するのに程よい間口と高さだったのだと思います。対面の街並みにも違和感なく溶け込んでいました。
2枚目の写真もポルトガルです。ピオダォンというアソル山の谷間(標高1200m)に西面する約150軒からなる小さな山岳の村です。たまたまエヴォラの本屋さんで見つけた一枚の写真から知り、どうしても行きたくなりました。
その小さな村は、アソル山の頂上を越えて反対側に降り始めた時、突然対面の山の中腹に貼り付いたように石の家の固まりとして目に飛び込んできました。しかし、その山肌に貼り付いた様相の割には不思議と悲壮感や荒々しさというものは感じられず「何故こんなところに村をつくったのだろう」というようなことが一度も頭の中をよぎりませんでした。実物はとても自然に感じたのです。
自然や場所との関わりの中から「そこにあるもの」をうまく生かしながら、人の手を加えていくことで「人が住むところ、集落」ができていく。それはありふれたことかもしれませんが建築の原点を見たように思いました。