Y邸リノベーション日記④ 家具その2

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第4回はキッチン家具の設置です。建物が古く、既存の天井、床、壁や梁の垂直水平の精度があまりよくないため、微調整をしながらの作業になりました。フードの取り付けは4人掛かりです。

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 無事に設置が完了しました。後日、ステンレスのカウンターシンクとフードを取り付けます。

Y邸リノベーション日記③ 家具その1

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第3回は家具製作です。家具屋さんにて製作状況の確認。寸法に間違えがないか、仕上げはあっているかなど、最終チェックをしていきます。

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扉を閉めるときの「バーン」という衝撃音をなくすために、 スライド丁番にダンパーを付けています(白とグレーの部分)。丁番に内蔵されているものもありますが、後付けタイプの方が故障もしにくく動きもスムーズです。

02. 安心を感じるもの

100201モハーの断崖

1枚目の写真はアイルランドの西海岸にあるモハーの断崖です。その断崖沿いの歩道には手摺りのようなものは何もなく、崖とは反対側に沿って膝ほどの高さの薄いスレート板が立ち並んでいるだけでした。
スレートのその粗い質感やつくりが「ここから先は美しい景色ですが危険を伴います。これより先に入る場合は自分自身で身を守ってください。」と暗示しているかのように感じられ、同時に自然に対して人間を大人扱いしているなあと共感できました。その反面そのスレートによる境界が、不思議と安心感を与えてくれているのです。

 

100202伊豆大室山

2枚目の写真は伊豆の大室山の山頂噴火口の稜線です。一本のロープがやはり内側に張られていました。それは一本のロープにすぎないのですが、仕切るのではなく、ロープで境界を示すという非常に日本的な方法です。それは眺望の邪魔をせず、アイルランドの断崖と同じように稜線を歩くのに安心感を与えてくれているのです。
もしも、これらの道にスレート板やロープがなかったとしたらどうでしょうか? 同じ歩道なのに足がすくんで腰がひけてしまい、歩くのが少し怖くなってしまうことでしょう。

しかし、スレート板やロープで「境界を示す」ことによって歩道はより確かなものとして認識されるようになります。それが安心感につながる暗示になっているんだと気づかせてくれています。

Y邸リノベーション日記② ふかし壁

15092403 第2回はふかし壁です。キッチン周りは電気・ガス・水道・排水・排気と設備が絡むので、既存の壁から設備の配管スペース分の壁をふかし、新しいキッチン家具が設置できるような壁を設けていきます。

15092404家具を取り付けための補強材を入れたり、設備器具の取り付け位置に配管配線が施されているのが確認できます。既存の床や壁や梁、天井の垂直水平の精度が悪いため、家具の取り付け時には、現場で各面との調整をしながら下地も微調整することになりそうです。

いよいよ明日から展示会が始まります

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いよいよ明日から展示会が始まります。大道芸ワールドカップも行われていますので、お時間のある方は是非お立ち寄りください。
毎年七夕の時期に東京にて秋に静岡にて開催してきました静岡の建築仲間で家づくりを紹介する展覧会も今年で10年目を迎えることになりました。10周年を記念して東京では自由学園明日館にて催しました。同展を静岡でも開催いたします。どなた様もお気軽にお立ち寄りください。

日時/10月30日(金)~ 11月3日(火) 終了しています
   11:00~19:00 (入場無料)
   パーティー:10月31日(土)17:00~
   岩川在廊日:30日,1日は終日、31日,3日は14:00~

会場/ギャラリー濱村
〒420-0032静岡市葵区両替町2-3-1

– 参加建築家 —
石田正年・岩川卓也・近藤健太・坂田卓也・杉山智之・望月美幸

Y邸リノベーション日記① 解体工事

公団の改修工事です。6年前に浴室と襖などの一部建具の改修工事を行ったお宅ですが、今回はキッチン・玄関収納の家具工事をメインに天井と壁にも塗装を施す工事の設計監理を行いました。その工事監理記録を数回に分けて解説していきたいと思います。

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第1回は解体工事です。解体するところ、残すところ、新規に壁ができるところ、配管の位置などひとつひとつ確認しながら作業を進めていきます。

15092402キッチン周りを解体しています。ボックスなどは廃棄のためにパーツに分解しながら撤去していきます。

 

谷中散策

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昨年まで神楽坂で開催していた「静岡の建築仲間がつくる家づくり展」。来年から11年目に入りますが、新規一転、場所を谷中に移して開催していこうということに。

そこで先週静岡の建築仲間と谷中散策。事前に調べたギャラリーや街で偶然見つけたギャラリーを見て回りました。どこで開催することになるかは乞うご期待!

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午後4時、最後に見せていただいたギャラリーで教えていただいた「上野桜木あたり」で谷中ビールで打ち上げ。人々の生活の中で飲んでる感がたまりません。

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しめは80代のご夫婦が35年前から営まれている「みぢゃげど」というお店で、津軽そばを。散策中に気になっていたお店です。ご夫婦の故郷、弘前のお話が楽しく、付け合わせのニシンが美味!

 

01.フィンランドで見た窓の景色

100101窓から見る木

1枚目の写真はフィンランドのヴァンターにある教会の縦長のスリット窓です。目の前にその教会が現れたときにはなぜ縦長のスリット窓なのだろうと思いながら見ていました。
教会の中に入ってみるとその縦長のスリット窓によって白樺の幹一本一本が強調されているように見えました。そして不思議にも森の中を歩いているかのような気持ちになったのでした。
フィンランドの街並みは広大な緑の森を背景にしているため白樺の真直ぐに伸びた樹幹の白さが強調されて見えるのです。室内側から見たスリットと外の景色はそのことをより連想させるものだったのかもしれません。

 

100102ステンド越しの緑

2枚目の写真もフィンランドです。ポルヴォーという町にある教会のステンドグラス。教会のステンドグラスというと濃い色で絵画のようなものをイメージしてしまいます。ですが、この教会のものは無色と淡く明るいブルーとグリーンのステンドグラスをグリット状に組み立てたあっさりしたものでした。
そこには建物裏側の木々の葉が風にそよぎサラサラと動き、チカチカと光を反射する様子が映し出されていました。何とも言えない心休まる場がそこにはありました。

窓は外の景色や光、風を取り入れることはもちろんですが、「窓は内と外とをつなぐもの」として大切な役割があることを気づかせてくれています。そして、この窓を見ていると日本人と同じようにフィンランドの人々が自然を崇拝し、自然と共に生きていることも感じられました。

彼岸花

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先週末、これからスタートする住宅の打ち合わせに行ってきた。敷地の裏手に咲いていた真っ赤な彼岸花に惹かれて近づいてみると、川が!

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川音と桜並木からの木漏れ日が心地よく、こんな感じの土手が近所にあったら毎日散歩したりジョギングしたりするのだけどなあ!