上野桜木

今年の静岡展(東京開催)の場所は上野桜木の有形文化財建造物・市田邸に決まりそうです。

今から7月の展示が楽しみ!

03.そこにあるものを生かすこと

100301水道橋

1枚目の写真はポルトガルのエヴォラにある水道橋です。エヴォラはローマ時代の城壁に囲まれた小さな町ですが、ローマ、中世、近世、現代と各時代の様式が混在していて、長い年月の間この小さな町が重要な町として存在していたことがうかがえました。

水道橋は城壁の外から中へとつながって残されているのですが、その水道橋が城壁の内側では住居にうまく利用されていました。水道橋には線路の高架下のような奥行きはありません(写真を見るとアーチの下に家の屋根があるのがわかると思います)。ですからこの事例は日本で見られるような高架下の使われ方とは違います。

水道橋をうまくファサード(正面のデザイン)の壁面として利用していました。橋脚のピッチや高さが住居に利用するのに程よい間口と高さだったのだと思います。対面の街並みにも違和感なく溶け込んでいました。

 

100302ピオダォン

2枚目の写真もポルトガルです。ピオダォンというアソル山の谷間(標高1200m)に西面する約150軒からなる小さな山岳の村です。たまたまエヴォラの本屋さんで見つけた一枚の写真から知り、どうしても行きたくなりました。

その小さな村は、アソル山の頂上を越えて反対側に降り始めた時、突然対面の山の中腹に貼り付いたように石の家の固まりとして目に飛び込んできました。しかし、その山肌に貼り付いた様相の割には不思議と悲壮感や荒々しさというものは感じられず「何故こんなところに村をつくったのだろう」というようなことが一度も頭の中をよぎりませんでした。実物はとても自然に感じたのです。

自然や場所との関わりの中から「そこにあるもの」をうまく生かしながら、人の手を加えていくことで「人が住むところ、集落」ができていく。それはありふれたことかもしれませんが建築の原点を見たように思いました。

Y邸リノベーション日記⑨ タイル工事その2

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第9回はタイル目地工事です。キッチン専用の目地材をコテで塗り込んでいきます。

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スポンジにきれいな水を湿らせて丁寧に目地を洗い出していきます。

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タイル表面に付着した目地材もきれいに拭き取り、タイル工事が終了しました。しっかりと乾かすため養生期間を2日ほど空けて器具付けをし、今回の改修工事は終了します。

Y邸リノベーション日記⑧ タイル工事その1

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第8回はキッチンのタイル工事です。タイル割りを考慮して家具のデザインを決めているので、割付もきれいに納まりました。25角のモザイクタイルです。

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目地材の納品チェック。キッチン専用の目地材で、油汚れに対する防汚性能を高めた目地材です。

Y邸リノベーション日記⑦ 塗装その2

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第7回は塗装工事その2です。塗装部以外をしっかりと養生し、塗装下地のコーナーやつなぎ部、既存躯体のひび割れ部などを平滑に、そして塗装後のひび割れが起こりにくいようにパテしごきで整えます。

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大きな面はローラーで、細かい部分は刷毛で塗装していきます。改修工事の場合は荷物などが残った状態で行われるので養生や足場が大変です。

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 既存天井のひる石吹付けの上には、吹付け材を固めるため、水性ではなく弱溶剤型のカチオン塗料を施しています。

Y邸リノベーション日記⑥ 家具その3

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第6回はキッチン家具のステンレスフード・カウンターの取り付けです。フード内のステンレス巻きを取り付けました。フード内には油きりの返しを施してあります。

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ステンレスカウンターの品質を確認後、カウンターが取り付けられ家具工事が終了しました。

Y邸リノベーション日記⑤ 塗装その1

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第5回は塗装工事です。既存のクロスをはがした後、裏紙が壁にべったりと残っています。紙が残っているとその部分が塗装後に膨らんでしまうため、なるべく残らないように取り除いていきます。写真はスポンジで水をふくませているところです。(色が濃い部分が水をふくませたところです)

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 一度水で濡らし、水分で膨らんだ残り紙をヘラで掻き落としていきます。2人で一日作業になりました。